特約期間が長いタイプ

35年返済など返済期間が長いと先にみたように変動金利型などのリスクは極めて大きくなるが、返済期間を10年程度にできるのであれば、返済額増額の割合は低くなり、未払い利息が発生するリスクもほとんどなくなる。返済期間10年なら金利が10%超にならない限り、未払い利息が発生することもないのだ。こうした条件に当てはまる人は、むしろより金利の低い変動金利型などを利用して、サッサと返済を終えるようにするのがいいだろう。そうでない、ギリギリの資金計画-現実にはそんな人のほうが圧倒的に多いのだが、より安全な全期間固定金利型でローンを組むのが無難だ。そうはいっても、やはり金利の低いローンの魅力も捨てがたいという大は、固定期間選択型の特約期間10年などの固定期間が長いタイプ、また、全期間固定金利型と変動金利型などを組み合わせたミックスタイプなどを利用する方法もある。この金利タイプとリスクの関係を整理すると、変動金利型や固定期間選択型は金利が低いけれど、リスクが大きい。金融機関としては、市中の金利が上がると、金融機関の調達金利が上がるが、そのときには住宅ローンの金利も上げることができる。常に安定した利ざやを確保できる仕組みになっているため、その分、金利を低く設定できるわけだ。では、誰がリスクを取るかというと、それは住宅ローン利用者ということになる。住宅についても、安いには安いなりの理由がある。住宅ローンにおいては、金利が値段ということになるが、住宅ローンの世界においても、やはり値段が安いには安いなりの理由があるというわけだ。それに対して、全期間固定金利型は、市中の金利が上がっても適用金利を上げることはできない。金融機関にとっては、貸出金利より調達金利のほうが高いという逆ざや現象が発生するリスクがある。それを避けるために、金利の低い時期には、将来の金利上昇に備えて、金利設定を高めにせざるを得ない。逆に、金利が高い時期であれば、将来は金利低下の可能性が高いので、さほど高くする必要はない。事実、バブル期の金利の高い時期には、変動金利型より全期間固定金利型の金利が低いという逆転現象が起こったことがある。いずれにしても、金融機関にとってはリスクが大きいだけに、金利を高くしているわけで、利用者はその逆。金利上昇によるリスクはない反面、高い金利を受け入れざるを得ないわけだ。その中間的な存在が、ミックスプランや固定期間選択型の特約期間の長いタイプ。リスクも金利もほどほどという商品になる。ただ、2010年現在、先にも触れたように全期間固定金利型のフラット35Sは、景気対策として当初10年間の金利が1%引き下げられている。その結果、実質的な金利水準は変動金利型や固定期間選択型の特約期間の短いタイプ並みの金利で利用できるという、通常はあり得ない異常な事態になっている。この制度が継続されている限り、関係は通用しない。